2017年4月19日水曜日

新谷和子 水彩画展「謝」

こんにちは、スタッフの二宮です。

新谷和子 水彩画展「謝」、始まっています。





新谷和子さんとタンバリンギャラリーの出会いは、
タンバリンの創設者、永井宏から始まります。
大阪、枚方市にある『星ヶ丘洋裁学校
住宅地の中に突如現れる、山の中の学校のように、
のびのびと育つ草木、四季折々の植物に囲まれたその学校の庭には、
永井が名付け親となった『SEWING TABLE COFFEE』という小さなカフェや、
教室の一室をギャラリーとした『SEWING GALLERY』があります。
新谷さんは、40年程前から星ヶ丘に住み、
洋裁学校が始まるころから街の移り変わりを見ており、
ここで永井と出会います。







関西水彩画会や、水彩連盟に所属し、
ずっと絵を描き続けていた新谷さん。
2年ほど前に、100歳を目前にしてとつぜん亡くなられたお父様への気持ちをのせて、
50号や100号の作品を含む、計10数点を、今展では展示しています。

「晩年は、毎日のようにお手紙を書くように、FAXを交換し合っていたのだけど、
 大げんかして、FAXのやりとりもしなくなっちゃったの。
 それからまた少~しずつ会話を交わすようになっていたところで
 とつぜん逝っちゃった。
 だからずっとそのことが気になっていて。」




お父様が亡くなって一番最初に描き始めたのが、100号の「還」という作品。
うさぎとなったお父様が、すすき野原の中を歩いて行きます。
道の向こうには天の川があるのだそう。

「遺品を整理しながらね、父が好きだったものや家族の写真が出て来て、
 特に意識した訳ではないけれど、次第にそういうのを描いていました。」

「最初は父への思いでいっぱいだったけれど、次第にこれは絵としてどうか、
 というのを見るようになってきて、
 客観的な目線で自分の絵を見ることができたらから、とてもよかった。」

と新谷さん。

人生の熟年期を迎えている新谷さんは、
まるで 少女のように軽やかです。

「朝起きて電車に乗るじゃない?西へ行っても東へ行っても、どこへ行ってもいいの。
 何時に帰って来てもいいし、帰ってこなくてもいい。そんなのって考えるだけで楽しいじゃない?」

「わたしねニュートンが好きなの。
 小さい子が指しゃぶりしていると恍惚となるじゃない?
 ニュートンを読んでるとそういう気分になるの。」

初日にいらしたご友人との会話の中で、こんな話が聞こえきて、
わたしはとても楽しくなりました。






父の絵のなかで、父の話がしたい。

そんな思いの中で開催している今展覧会、
わたしは新谷さんのお父様は存じ上げませんが、
絵を見ながらいろいろと、自分の家族や親戚、昔のことやごく最近のこと、
いろんなことを思い出しました。

そんな風にして、その人の中で、ずっと人は生き続けるのだと思います。




新谷さんは、毎日在廊の予定です。
静謐な絵のなかで、朗らかな新谷さんと会話を交わしていると
とてもあたたかい気持ちになります。
もうずいぶん春めいて、外を歩くのも気持ちのよい季節になりました。
ぜひ、お散歩がてらいらしてください。

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2017/04/18(火)~04/23(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)
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NEXT EXHIBITION>>

2017/04/25(火)~04/30(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)

✳︎パーティー 4月29日(土)18:00~

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