2015年5月27日水曜日

やまぐちめぐみ / melody

こんにちは、スタッフの二宮です。

やまぐちめぐみ / melody」始まっています。





やまぐちめぐみさんは、1998年頃から制作活動を始め、
都内カフェ、ギャラリーにて個展、グループ展に多数参加、

現在は絵を描くことに力をそそぎ、2015年秋に絵本の出版を予定しています。
2010年7月以来、タンバリンギャラリーでの個展は5年ぶり、
2回目の開催となります。


「色が音を奏でたなら、音が色を発したなら...
 今回の展示は作品の中の色やモチーフたちから溢れる

 歌声やメロディをやさしい空耳だとか小さな口笛のように
 感じながら観てもらえたら。。
 そんな風に思いながら描きました。」HPより。

新作をメインにグループ展等に描き下ろした旧作品、
古くは2003年から、新しくは2015年5月20日、個展開催直前までの
作品が、ギャラリーいっぱいに展示されています。









色と色が混ざり合ってできる色、
筆のタッチ、
ドリーミングな世界、描かれるモチーフ、
大きな絵、小さな絵、どの絵にも、

やまぐちさんの絵を描く事の喜び、のようなものを感じます。

それが画面いっぱいに広がっていて、ギャラリーを彩っています。
一面が作品で埋められた壁を前に、
「玉手箱みたい…。」とおっしゃる方もいました。






「タンバリンギャラリーとはひょんなことがきっかけで出会い、
 いつの間にか5年ものお付き合い。
 やはり、ひょんなことからでしたがオープン間もないその年の夏に個展をしました。

 でも5年前の個展は私にとってはとても悔いが残るものだったので
 今回こそは!!そんな意気込みで『melody』に向けて
 この数ヶ月間、作品作りをしていました。

 いつも殆どエスキースなしで全体像さえ考えず、
 今、自分が塗りたい色は何色かと考え、一ヶ所、二ヶ所…
 画用紙にその時惹かれた色の絵の具に、手が伸びるまま色を置いて行き、
 画面に生まれ、浮かび上がるまるでヒントのようなものを見つけて
 そこから何かを想像し、繋がったモチーフ( 例えば、リスだったり人、建物 )を
 誕生させて行く。最近の描き方はそんな感じです。

 それはとても愉しい作業で、DMにした作品は
 自分の中ではいちばん新しいものになりました。

 扉らしきものが現れ、女の子とウサギがその向こうの世界へ旅にでる。
 案内役は、不思議なふわふわ、ケサランパサランです。

 同じような調子で描いたのが、個展のタイトルにした
 『melody』

 色が音を奏でたらどんな音がするのかな? 音が色だとしたら何色なのだろう?

 タンバリンギャラリーを訪れてくださった方々それぞれが、
 色や登場人物を辿り、物語を描いて自由に遊び、耳を澄まし。
 そしてご自身のmelodyを奏でたり…

 そんな風に愉しんでもらえたとしたら、とてもとても嬉しいです。」

個展へ向けて。やまぐちめぐみさんより。











以前、やまぐちさんとのやりとりのなかで
「めぐみ
さんが、絵を描いて展示するということは、生きていることの証かもしれない」
という話をしたことがあります。
やまぐちめぐみさんの活動を見ていると、
絵の中で生きているのか、生きている中に絵を描くことがあるのか、
境目がわからなくなります。
それくらい自然なことで、揺るがない意思があり、
でもアウトプットされたものはやさしくて、見る人をあたたかく迎えてくれる。
そんな風に、わたしは感じました。








「メロディ 

 それは色が音楽を奏でる時間。
 ケサランパサラン、扉を開けて。さぁ、出かけましょう」

会場にはあたたかでやわらかいメロディが流れています。
ぜひお運びいただいて、たっぷりとした時間を過ごされてみてください。


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2015/05/26(火)〜05/31(日)
11:00〜19:00(最終日〜18:00)

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若林夏 / PARADISE DIVE
2015/06/02(火)〜06/07(日)
11:00〜19:00(最終日〜18:00)
  *レセプション 06/02(火)18:00〜20:00

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2015年5月20日水曜日

ますやま理人 / CALLE

こんにちは、スタッフの二宮です。

「ますやま理人 / CALLE」始まっています。




ますやま理人さんは、2004年、青年海外協力隊に参加し、
ニカラグア共和国に赴任されたことをきっかけに、
その後、単身現地へ渡り、スラムの路上で出会った子供たちと関わり合いながら、
壁に一緒に大きな絵を作成し、その様子を写真と映像で記録していく、
という活動を10年ほど続けています。

今展のタイトル「CALLE」はスペイン語で「路上」の意味。
ここ10年間の様子を今展で発表しています。






大きな壁に絵を描く、という活動は、あらかじめますやまさんが
壁に絵のアウトラインを引いたところへ子供たちがハケや手をつかって、
ペンキで色を付けていく、という作業です。
手にペンキをつけた子供たちは、お互いの顔に塗りあったり、
ペンキまみれになりながら、夢中になって色を付けていくそうです。

「子供たちの中には、家がなくマーケットのゴミ置き場の近くで生活している子、
 虐待を受けている子、売春をしている子、親がドラッグ中毒になってしまっている子、
 貧しいけれど、家族の愛情をたっぷりもらって生きている子、
 さまざまな子がいます。
 10年くらい通っていると、なかには結婚して子供を生んだ子も出て来て
 感慨深いですよ。」

写真に写る子供たちは、無邪気に笑っていたり
いたずらな表情をしていたり、どことなくさみしげな目をしている子もいて、
みんなそれぞれに、なにかを抱えて生きている様にも感じます。
ますやまさんの話を聞きながら子供たちの表情を見ていると、いろいろと見えてきます。






「子供たちと一緒になって絵を描いて、それを写真におさめていく、というのが
 自分の活動の一環ですが、
 『世界のどこかには、こういう場所があって、こういう人たちがいて、
 こんな風に生きている。』ということを伝えたいのかもしれません。」


「子供も、大人も、絵を描いているときは、みんな夢中になって、描いています。
 まるですべてを忘れているように。」

いままで、大地震のあったハイチや、東北の石巻で子供たちと
大きな絵を描いてきたますやまさん、
「自分の活動は、人が生きるために必要な要素として、
 一番には数えられないかもしれませんが、それでも何かしら空間や心を彩り、
 人の内側に暖かみを与えるものだと信じていままで描いてきました。」

その様子は、写真や映像を見ていると、その向こう側にいる人達の表情で伝わってくるようでした。





5/23(土)、24(日)は16:00から、スライドショーにて
写真、映像を交えた活動のお話を1時間程度される予定です。
ぜひ、直接その活動にふれてみてください。


ますやまさんは木曜日を除き、全日在廊の予定です。

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2015/05/19(火)〜05/24(日)
11:00〜19:00(最終日〜18:00)

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2015/05/26(火)〜05/31(日)
11:00〜19:00(最終日〜18:00)

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2015年5月13日水曜日

都築潤ディレクション 「不安すぎるライン」

こんにちは、スタッフの二宮です。

都築潤ディレクション 「不安すぎるライン」始まっています。






絵をながめていて、いつも気になることが二つあります。
一つは品性、もう一つはかたちです。
必要不可欠な品性とかろうじて維持されたかたちの、関係上に引かれるのが
「境界線=ライン」です。
疑念によって引かれたラインが、手癖やトライブを越えるとき、
作者たちのラディカルなスタイルがそこに現れます。   (都築潤)


本展の、ディレクターである都築潤さんを、
一つの言葉で説明することはとてもむずかしいのですが、
「イラストレーターというよりは イメージメーカー、クリエイティブデザイナー、
 あるいはイラストをデザインするという意味 で、
 イラストレーションデザイナーという感じ」
というTwitterでのプロフィールが、個人的には一番としっくりときます。

「不安すぎるライン」は、都築さんのある一定の目線によって選ばれた、
5名の作者による展覧会です。

各作者へ向けた都築さんの言葉と共に、ご紹介します。






「絵と、文字と、ダサさと、ポップ。いずれの境目も無効にするライン。」


山本歩美さん。

「文字の線や形は意識していますが、文字を描くというよりも、絵を描く感覚で描いています。
   今回は会場の独特な空間から生まれる偶然性を活かし展示をしてみました。」









『いかなるパターン認識をもってしても、宙づりにされるラインの凄み。』


管弘志さん。

「線についてはすごく悩みます。
 平面構成としてここで見切れるとか、面として見たときにここが気持ちいい
 という線の引き方はしますが、線そのものに関しては……。
 計算はせず、とても感覚的に描いています。」








『記号の輪郭から現象のラインまで、すべては速度のために捧げられる。』

林香苗武さん。

「2015年2月に速度主義宣言を出し、速度について真面目に考えています。
 今回は、マンガの手法で、速度を表しています。
 コマとコマの切り替わる瞬間の速度、
 現れて消える現象。ヒュッと瞬間的に消えたり、フワっと消えたり。

 マンガを描くことはずっと封印していたのですが、
 速度のためにこの形態をとることにしました。」






『均一なラインがかわいく連結する。リビドーを形式にとじこめる手綱。』

conixさん。

「隠されているラインが『不安なライン……』です。」


 



『ラインのくつろぎ。デジャヴとアナクロニズム。そして未知の居心地。』

トキタシオンさん。

「タイトルは全部『クルマシオン』です。全45点には、それぞれにテーマがあります。
 45個考えるのは、そんなに苦労はしませんでした。」




季節外れの台風の接近により、お天気すら不安すぎるスタートだったにも関わらず、
初日から多くの方にお越しいただきました。

「今は絵の上手い人、センスのある人が無数にいて、そんな中でたしなみの方向性が
 同じ人を集めても仕方がないので、方向性や嗜好性の違いがある人たちを集め、
 展示を企画することにしました。
 バランスまたはアンバランスな展示になっていると思います。」

「もうひとつ、絵の上手い人が無数にいるなかで、何をやるか…、
 ということについての議論が重要だと考えています。」

都築さんの言葉から、大きな課題を投げかけられているように感じます。
「不安すぎるライン」というタイトルのもと集まった5名の作者の、
技術とセンスだけではない何かを見つけることで、
この課題のヒントが見えてくるような気もします。

各作者、都築さんともに、土日を中心に、在廊の予定となっています。
是非お運びいただいて、気鋭の5名の作者の作品を、ご覧ください。


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2015/5/12(火)~05/17(日)
11:00~19:00(最終日18:00)


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2015/05/19(火)〜05/24(日)
11:00〜19:00(最終日〜18:00)




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2015年5月6日水曜日

佐瀬麻友子 / STORYTELLING FOR ETERNAL CHILDREN

こんにちは、スタッフの二宮です。

「佐瀬麻友子 / STORYTELLING  FOR  ETERNAL  CHILDREN」始まっています。



佐瀬麻友子さんは、ファッション、音楽、書籍、百貨店のウィンドウディスプレイなど
様々な媒体で活躍するイラストレーター。
他にも、定期的に個展を開催し、アートイベントや、
アパレルブランドとコラボレーションしたライブドローイングなど、
幅広い活動をしています。

STORYTELLING  FOR  ETERNAL  CHILDREN」と名付けられた今展は、
佐瀬さんが学生の頃に書いた小説をもとに制作した、すべて描きおろしの作品です。
小説の一部から抜き出した超短編とも呼べる文章が、ひとつひとつの絵とともに、
並んでいます。








「この小説は、美術大学時代の文学ゼミで書いたもので、あとにも先にも、
 これきりの小説です。
 全文は、読むと火傷するくらい痛々しくて恥ずかしさであふれているのだけど、
 いつかこの小説をもとに絵を描きたいと思っていたので、一部を抜き出して、
 絵を添えました。」

絵と文章は、つながりがあるのかないのか、見る者の想像へ任せられています。
まっすぐにこちらを見る「永遠の子供たち」は、
若さゆえのみずみずしさ、強さ、または弱さにあふれていて、
みていてドキリとさせられます。

「20才くらいの頃って、痛々しいくらいに青臭くて、
 恥ずかしいことばかり考えていたんですね。
 その頃は、絵よりも文章を書くことのほうに、気持ちが向いていたのか、
 この小説を書くことに夢中でした。いまは文章は書かないけれど、
 青臭い感じ、痛々しい感じはずっと持っています。永遠の中2病を煩っています。笑

「反抗期もなくも青春らしいこともしてこなかったので、永遠の憧れなのかも。」

語る佐瀬さんは、どこかカラリとしていて、大人のそぶりですが、
その内面にくすぶっている熱いものは、彼女にとってなくてはならないもので、
ピュアで美しく、強く惹かれるものがあります。







絵を見て文章を読む、絵だけを見る、文章だけを読む。
それを繰り返しながら、会場を何往復もしていると、また違った印象があり
だんだんとその世界へ引き込まれて行きます。
ご来場の多くの方が、たっぷりと時間をかけて、全体を味わっていた様子が
印象的でした。





毎日在廊予定の佐瀬さん、ご希望の方へ、
ポートレートを描いてくださいます。(おひとり1,500円)
初日は、Instagramを見て来たという方やお知り合い、通りがかりの方など
たくさんの方がいらっしゃり、
休む間もないほどに、その場で素敵な人物がたくさん描かれていきました。


また、5/9(土) 17:00から
宮本一粋(ex.二千花)ライブ × 佐瀬麻友子ライブペインティング
もございます。
こちらもあわせてお楽しみください。
(この日は、ポートレートはお休みとなります、ご了承ください。)

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佐瀬麻友子 / STORYTELLING  FOR  ETERNAL  CHILDREN

2015/05/05(火)〜05/10(日)
11:00〜19:00(最終日〜18:00)

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NEXT EXHIBITION>>
都築潤ディレクション 「不安すぎるライン」
 conix 管弘志 山本歩美 トキタシオン 林香苗武
2015/5/12(火)~05/17(日)
11:00~19:00(最終日18:00)
※レセプション 05/12(火)18:00~20:00


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