2014年10月1日水曜日

新井淳夫/フランスの最も美しい村々 -第4章-

こんにちは、スタッフの二宮です。
新井淳夫「フランスの最も美しい村々」-第4章-、始まっています。




フランスの最も美しい村(仏:Les plus beaux villages de France)とは、
歴史遺産の価値の向上、保護、そして観光を促進する目的で、
1982年にフランスのコレーズ県でその協会が設立され、
いくつかの厳しい条件をクリアした村が、認定されています。

新井淳夫さんは、2011年よりこの「フランスの最も美しい村」を訪れ、
シリーズとして描き始め、毎年10月にタンバリンギャラリーで展示を行っています。
4年目の今年は第4章、2011年の段階で登録されていた156の村の完全踏破を目指し、
現在回った村は82村。
今年は、新しく回った村と、未発表の村、村の鳥瞰図を展示しています。

第1章から第3章までの様子は、こちらのブログでご覧いただけます。








「フランスの最も美しい村」は、もちろんフランスの各地に広がっているため、
その日の体調、気候、バスの運行状況に合わせて、どこへ訪れるかを決めて、
路面バスやTGV、自転車に徒歩、などを駆使しながら新井さんは回っています。
自転車をレンタルしたものの、ほとんどが山道で、乗らずにずっと押して歩いたり、
日曜の夜はタクシーは動いて(働いて)おらず、
レストランからホテルまで、真っ暗の中何キロも歩くはめになったり。
その中でも、星空の美しさや、蛍光緑の虫が飛んでいることに気付いたり、
そんな道中のエピソードも、絵とともに展示されています。





カルトンと墨を抱えて村々を訪れ、描く場所を決め、
地面に座り込み、その場で墨絵まで完成させます。
着彩は、自宅へ戻ってから。
昨年までパリ在住だった新井さんが、今年になって東京に拠点を移し、
新たに描いた村の鳥瞰図シリーズについて、

「この絵を描く時は、私は、鳥になる。
 地面にへばりついて描いている時は、花になっている。」

という様に、村も、新たな目線でもって描かれています。





「写真を撮らせてください。」と頼むと、鳥になって村の上を飛んでくれました。





156個の村を回ることについて、
「ロールプレイングゲームで、ひとつひとつの村を制覇していっているような感じ。
 村を回れば回る程、その経験値を積み、ボスキャラを倒して行くようなね。」

「もう一度、同じ村に行きたいとは思わない。
 それだったらひとつでも多く、新しい村を訪れたい。」

と新井さん。

東京へ拠点を移したことで、以前より村を回るペースは落ちることになりますが、
その分、新井さんに課せられた使命は続いていきます。
体力勝負だとおっしゃっていましたが、まだまだ活力と独特のユーモアは
まったく衰えを感じさせず、美しい村を美しいタッチと色彩で魅せてくれます。

美しいものを美しいままで残していこうという国の姿勢と、
それをひとつひとつ絵画として残していく新井さんの姿勢に、
とても大事なものを教わったような気がしました。





新井さんは、水曜日を除き、毎日在廊の予定です。
ぜひ訪れて、会話もされてみてください。


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Atsuo Arai
Les plus beaux villages de France - Chapitre Quatrième -


2014年09/30(火)~10/05(日)
11:00〜19:00(最終日〜18:00 )

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NEXT EXHIBITION>>

2014/10/07(火)〜 10/12(日)
11:00〜19:00(最終日〜18:00)

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